別れさせ屋に工作の依頼をする際の注意点
目次
別れさせ屋に依頼をする際に注意する理由
納得のいく工作依頼をするためには、複数の別れさせ屋に相談してみることも大切です。
広告やウェブサイトに記載された内容だけで判断するのではなく、その会社に所属する担当者とも実際に話をしてみることで依頼人に対する対応の良し悪しが判断できるからです。
自分の悩みごとや困りごとに対し真摯に対応してくれる、必要な解決方法は何かも提案してくれる、料金費用面に関する不安なども感じない説明をしてくれる依頼先を選ぶことが出来れば納得の工作依頼ができるはずです。
契約書の内容確認のポイント
契約書は5つのポイントを確認してください。
■工作の成功条件について
別れさせ屋とよくトラブルになるのが工作の成功条件です。別れさせ屋から工作終了の報告があり受け取った証拠写真が「どこの誰だか分からない」、「本当に別れさせたのか」など、別れさせたことを証明する証拠としては弱いものを成果物として出されても依頼人としては困ります。
契約書に本人と分かる証拠写真・動画を提出すると成功条件に書かれていないと、あいまいな証拠を成果物として提出される可能性があります。成功条件が何なのかをはっきりさせて契約書に文章として入れてもらう必要があります。
■着手金の有無について
別れさせ屋の多くが着手金を取った上で調査・工作に入ります。(まれに完全成果報酬型の会社もあります)着手金とは、依頼後すぐに支払う必要があるお金のことで、工作費用の総額の約2,3割を前金として最初に支払います。着手金は調査終了後には戻ってこないのが一般的です。
この着手金システムを使ってお金をだまし取るような悪質な別れさせ屋があります。別れさせ屋の中には最初から調査・工作はおこなわずに依頼人に対しては「調査・工作は失敗した」と報告をあげて着手金だけ手に入れる手口があります。
着手金詐欺をおこなう別れさせ屋かどうかの見極めは難しいのが実情ですので、怪しいと感じたら、別れさせ屋に対して着手金が必要な理由、着手金なしで調査・工作ができないか、単刀直入に質問をぶつけるのも一つの方法です。
■調査の日数について
別れさせ屋では、工作を行う上で対象者と第二対象者の行動を把握しなければならない為、素行調査を行います。しかし、対象者等に動きがあまり見られないことが分かっているのに、無駄な調査をして調査日数を意図的に増やすことで調査費用をかさ上げしようとする悪徳な別れさせ屋があります。
なにかと理由をつけて調査日を増やそうとしたり、依頼者に連絡もなく勝手に調査日数を増やされないように気を付けなくてはなりません。契約を取り交わす前には調査日数を必ず確認しましょう。契約書には必ず調査日数について記載する箇所があります。もし書かれて無ければ、調査は最大何日なのかあらかじめ確認してください。
また、工作期間中に必要に迫られて調査日を増やさなければならない事もありますが、調査日を増やす時にはあらかじめ連絡をもらう取り決めを行うというのも一つの方法です。この一文を契約書の中に入れてもらうことで、調査日数のかさ増し請求の被害を防げます。その時には必ず依頼者に連絡を入れてもらうようにしましょう。
■実費機材費、交通費など
実費とは、調査・工作のために必要となる機材や車両、交通費などの費用のことです。
最近では、実費を取らずに、プランの中に組み込んで工作サービスを提供する別れさせ屋も増えています。しかし、中には使ってもいない車両代を請求したり、ガソリン代、高速代など実費を水増し請求するような別れさせ屋もあります。
契約を取り交わす前に実費の内訳について確認する必要があります。見積りの中に実費が書かれてありますが、見積金額を超える実費が必要な場合には事前に連絡をもらう、また事前に決められた実費以上がかかっても支払いを免除してもらうような契約・見積りとなるように交渉するのも一つの方法です。
■キャンセル料
別れさせ屋に依頼した後で、「別れさせたいカップルが破局した」、「別れたい人と円満に別れられた」など事情が変わることがあります。別れさせ屋に依頼したけどキャンセルしたいという場合には、できるだけ少ないキャンセル料で依頼を取り消したいものです。
“別れさせ工作”や”別れ工作”のキャンセル料は別れさせ屋によってそれぞれルールが違います。それゆえに契約書に法外なキャンセル料金設定になっていないかチェックが必要です。
多くの別れさせ屋が着手前のキャンセルなら見積り総額の20%前後、着手後なら調査日数の日割り計算という計算式が一般的です。
悪質別れさせ屋の中には、あえて調査を失敗し続けているように見せかけて依頼者にキャンセルを促してキャンセル料金だけを取ろうとする手口がありますので要注意です。
はじめからキャンセル料金狙いの悪質な別れさせ屋なら、キャンセル料金が驚くほど高額となっている可能性があります。また、調査期間の長期化はキャンセル料金狙いの別れさせ屋の格好の餌食となります。
これらのキャンセル商法の被害を避けるために「調査・工作期間を細かく指定する」「途中経過報告を必ずする」などのルールを決めて契約書の条項に入れてもらうなどの方法を取るのもよいでしょう。
違法調査・違法行為に該当しませんか?
違法となる調査方法として次のものが挙げられます。
- GPSなどを対象人物の車につけて居場所を特定する
- 相手の自宅に盗聴器をつけたり、盗撮を行う
- オートロックのマンションに入り込み、相手の部屋番号を確認する
- 住居に侵入して調査する
- 郵便物を勝手に開ける行為も法律違反
いずれの場合も法律違反の行為であり、見つかった場合は当然のことながら処罰されることになります。
個人情報保護法が成立されてからは、個人情報を外部に漏らすことを禁止しており、例えば銀行の口座照会やクレジットカードの利用状況、犯罪歴や前科の照会など正規のルートではすることができません。
成功報酬の定義を確認
「成功報酬制」を導入している別れさせ屋は何社もありますが、その成功報酬の内容がトラブル生んでいる事があるようです。
- 成功の定義が曖昧で「第二対象者の自宅を判明した」と言われ成功報酬を要求された…
- 契約時は低額の成功報酬だと思っていたが、途中からどんどん報酬の金額が膨らんでいった…
- 「成功しなければ0円」のはずが、調査・工作終了後に経費として1日当り10万円請求された
- 成功報酬と聞いて期待して事務所に行ったが、その成功報酬が莫大な金額だった…
など、トラブルが報告されています。
一見、成功報酬と聞くとお客様の魅力的なプランに聞こえますが、ちゃんと確認してから契約をしないと「えっ?」という事態になる事もあります。
クーリングオフについて
クーリングオフとは「特定商取引法」に定められた消費者保護のための制度です。
通常、契約を結ぶということはお互いに約束を守ることが原則ですが、クーリングオフはこの原則の例外的なものです。
「クーリングオフ」(Cooling Off)という言葉の意味通り、契約した後に頭を冷やして冷静に考え直す時間を消費者に与え、一定期間内であれば無条件に契約解除ができる制度です。
クーリングオフが適用されると、消費者は申込または締結した後、規定の書面を受け取った日から数えて8日以内なら、書面により申込の撤回もしくは契約の解除が可能となります。
さらに、事業者が重要事項についてウソを言ったり、わざと伝えないで契約させた場合、消費者は誤認であることに気付いたときから6ヶ月間、契約締結から5年間、その意思表示を取り消すことが可能です。
2008年に「特定商取引法」が改正され、政令指定商品制度を撤廃。原則全ての業種にクーリングオフが適用されることになったため、別れさせ屋を運営している探偵業者もその適用を受けることになりました。
ただし、工作の契約すべてがクーリングオフの対象になるわけではありません。あくまでも「訪問販売」に該当するケースのみクーリングオフ制度が適用されることになります。具体的には、契約書をかわした場所によって適用されるか否かが大きく異なります。
■事務所や自宅以外で契約した場合
別れさせ屋の事務所や自宅以外の場所(喫茶店、ファミレス、カラオケボックス等)で契約書をかわした場合、「訪問販売」と見なされ、クーリングオフの対象となります。
また、事務所や自宅以外で契約する場合は、「クーリングオフ対応契約書」の締結が必要になります。しっかりした業者であれば用意しているはずなので覚えておいてください。
なお、依頼者がはじめから契約する意思があった場合はクーリングオフが適用されませんので要注意です。
他にも、別れさせ屋の事務所や自宅以外の契約でもクーリングオフが適用されないケースがあります。
■クーリングオフが適用されないケース
- 事業者間取引の場合
- 外国で行った訪問販売取引
- 会社などがその従業員に対して行った場合
- 過去に取引の経験がある場合(御用聞き販売など)
- 店舗を持つ業者との取引で1年間に2回以上、無店舗の業者との取引で1年に3回以上の取引がある場合
- 他の法令で消費者の利益を保護することができる等と認められるもの
- 契約締結後すみやかに提供されない場合には、その提供を受けるものの利益を著しく害するおそれがある役務(サービス)の提供
■事務所や自宅で契約した場合
別れさせ屋の事務所に自ら出向いたり自宅で契約するために業者を呼んだ場合、「訪問販売」には該当しないためクーリングオフは適用されません。
ただし、契約書が探偵業法の規定に沿っていないなど何らかの不備があった場合には、事務所や自宅であっても契約を無効にすることが可能になります。
クーリングオフが適用される場合、契約日を含めて8日以内であれば、契約をかわしていようが、調査料金の支払いが済んでいようが、書面にて無条件でキャンセルできます。
支払い済みの料金も返還を求めることが可能です。その際に、別れさせ屋は違約金を請求することもできませんし、料金を速やかに返還しなければならないことが義務付けられています。
さらに、もし契約の際に「クーリングオフ対応契約書」を結んでいない場合は、クーリングオフの時効である5年後までクーリングオフが適用されます。
このようにクーリングオフ制度は消費者保護の観点から設計されているため、別れさせ屋には非常に不利な制度になっています。
たとえば、喫茶店などで契約し8日以内に調査・工作結果が出た場合、その時点でクーリングオフすれば、結果的に依頼者は工作料金を一切払う必要がなく成果を得られることになります。
このような悪用のリスクがあるため、別れさせ屋の中には事務所以外での契約を渋るところも多いです。
まとめ
今回は、別れさせ屋に工作を依頼することで、注意しなければならないポイントを紹介しました。
ここまでをお読みいただき、調査イメージは湧いて来たでしょうか?
別れさせ屋は、普通の人ならば絶対に解決できない問題を解決してくれるので、とてもありがたい存在です。
なんとなく「怪しい」というようなイメージがあるかもしれませんが、本当に依頼者に寄り添い、依頼者の事を考え抜き、徹底した工作を行う別れさせ屋がほとんどです。
ですが、やはり一部には別れさせ屋が存在することも事実です。
だからこそ、
- 今の自分にとって必要な工作は何か?
- その際の工作費用は工作内容と照らし合わせて適切な価格か?
- 依頼する業者は果たして本当に依頼料を払う価値のある別れさせ屋なのか?
以上をしっかりと見極めてほしいと思います。